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2019年度「国際看護学演習I」でスイスとイタリアへ研修に行きました

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年9月13日更新

 国際看護学演習Iを履修した学生7名が、2019年8月17日から25日まで、日本赤十字秋田看護大学の学生6名とともにスイス・ジュネーブへの研修に参加しました。

 国際看護学演習Iは、国際赤十字<外部リンク>の活動拠点であるジュネーブで、国際赤十字の関連施設や国際機関を訪問してさまざまな国際救護組織の役割や活動内容を理解し、国際活動における活動理念・方法について自己の考えを深めることと、また国際社会において看護職になにが求められるかを考察することを目的としています。

赤十字発足の歴史を学ぶ​

 ソルフェリーノ アンリー・デュナンの銅像研修1日目は、赤十字発足のきっかけであるイタリア統一戦争の激戦地となったソルフェリーノを訪れました。実際にアンリー・デュナンが救護活動した教会、ソルフェリーノの街並みや納骨堂等を見学したことで、当時の悲惨な光景が目に浮かび、赤十字創設の決意に思いを馳せました。

 研修2日目は、赤十字博物館を見学しました。施設の方から英語での説明を受けながら、赤十字の組織や活動内容、人道支援の歴史について学びました。

(写真:ソルフェリーノ アンリー・デュナンの銅像)

さまざまな国際機関や赤十字関連施設を訪問

 研修3日目から5日目にかけてはスイスのジュネーブにあるIFRC(国際赤十字赤新月社連盟)、ICRC(赤十字国際委員会)とともに、UNOG(国連ジュネーブ事務所)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、WHO(世界保健機関)の国際機関を訪れ、施設見学や貴重なプレゼンテーションを聞き多くの学びを得ることができました。

 ジュネーブICRC本部建物前での集合写真 ICRCでは弱い立場にある人の思いや現状を知るために、彼らを支配している人々と切り離した環境で話をする機会を作るということを学びました。またIFRCとの違いやお互いに連携をとる必要があることを理解しました。

 IFRCでは国によって表現や物事の理解の仕方、価値観などが違うため、その多様性を理解し受容することが大切であることを学びました。また多くの活動分野や2020年に向けての戦略について、2020年まで、あと1年となった今、2030年に向けての戦略が検討中であるということを教えて頂きました。

(写真:ジュネーブ ICRC(赤十字国際委員会)本部建物前での集合写真)

 国連ジュネーブ事務局ガイドツアーでは、国連総会が行われる会議場を見ながら、組織の歩んできた歴史を聞くことができました。会議の会場やシンボルマーク、モニュメントなどのひとつひとつにUNの中立、平等、平和といった意味が込められていることを教えて頂きました。

 UNHCRでは、難民と国内避難民の保護に「人道」が不可欠であることを学びました。また活動内容も詳しくお聞きすることができ、その目的も知ることができました。

 WHOでは、世界に対して行う重要な役割や活動内容を詳しく説明していただき理解を深めました。また必要な医療体験を整えつつ環境の基準づくりを進め、社会全体の健康状態の改善に努めていることを実感しました。 結核についても講義をして頂き、疫学の重要性を学びました。そして多剤耐性菌となった結核を治療することの過酷さを改めて感じ医療の正しい知識や治療、早期発見や早期療育の重要性も学びました。また、ここでは昼食時に現地で働く日本人の職員に様々な興味深いお話を聞くことができました。

 今回の国際看護学演習Iでは、日本赤十字秋田看護大学の1-2年生と合同開催となりました。毎晩の学習のまとめや、学習記録を一緒に作成したことによって、意見の交換の機会が多くあり、互いに学びを深めることが出来ました。9日間、日本赤十字秋田看護大学の学生と学びを共有できたことは、とても良い経験となりました。

おわりに

ジュネーブ赤十字博物館前での集合写真

 今回の研修では、ほかにもミラノ・ジュネーブ市内を視察する時間もありました。荘厳な教会や異国情緒漂う壮大な城などそれぞれの街の歴史を学びながら楽しむことができました。この研修で学んだことを大切にして、今後の勉学に活かしながら将来の自分たちの夢につなげていきたいと思います。

 最後に、この研修に関わったすべての講師の方々や、各機関の関係者の皆様に感謝申し上げます。

(写真:ジュネーブ 赤十字博物館前での集合写真)