ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 本学について > MESSAGE 〜学長からのメッセージ〜

本文

MESSAGE 〜学長からのメッセージ〜

更新日:2024年4月1日更新 印刷ページ表示

日本赤十字広島看護大学

学長 田村 由美

学長2022​ 日本赤十字広島看護大学は、学校法人日本赤十字学園の中国四国地方の拠点校として2000年に開学しました。赤十字の人道の理念に基づき、国内外の保健・医療・福祉の分野で幅広く活躍できる有能な人材を育成し、看護学の発展及び人類の福祉の向上に寄与することを目的としています。この目的の実現に向けて、豊かな人間性と幅広い教養、グローバルな視点を身に付け、命と尊厳を守るヒューマンケアリングの実践者の育成を目指しています。

 2004年には大学院看護学研究科修士課程を開設しました。2016年には日本赤十字学園の5大学に共同看護学専攻を設置し、本学に博士課程を開設しました。修士課程では、時代のニーズに応える看護専門職者としての高度な実践能力並びに研究・教育能力の育成を目指しています。博士課程は、高度な実践知を基盤として、自立した研究活動と研究指導ができる研究者、質の高い看護学の教育ができる教育者、知的複眼思考・論理的思考に基づき発展的に看護を実践できる人材の育成を目指しています。大学院は長期履修制度で自分の生活やキャリア設計に合わせて学ぶことができます。博士課程は赤十字の5大学共同で、開設当初から遠隔授業を導入しており、他大学の教員から指導を受けることができるなどのメリットがあります。

 現代社会は、気候変動、国内外の自然災害や人道危機等、私たちを取り巻く環境はめまぐるしく変化し、将来の予測が困難なVUCA時代【注】といわれます。VUCA時代は、新たな知識・情報・価値を生み出し、それらの変化に対応する柔軟性や思考力を養い、自発的・自律的に行動できる看護職が益々重要となります。また、専門知識だけでなく、多様な分野を俯瞰する力を持った看護人材が求められ、自ら課題を発見し、解決していく能力が必要とされます。そうした社会変化による人々の健康とwell-beingへの影響はますます増大し、看護(職)の役割はとても重要です。

 本学では、“一人ひとりを大切にする”赤十字看護の伝統を継承し、かつ時代に即した看護学の教育内容や方法を充実させ、主体性、創造性を育み、看護専門職として生涯学び続けてゆくリフレクティブ(省察的)看護実践者を育成しています。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進の時代に即した看護学教育の観点から、本学では、デジタル技術を活用してより確かな『ケアリングとしての看護技術』、より臨場感のある状況設定での看護実践力を身につける学修環境を整えています。そして、真の意味での学修者主体(student centered)となる教育を進めることで、ひとを大切にする看護実践者、これからの保健・医療・福祉の向上を寄与するリーダ-としての看護人材を育成します。さらに、国内外にネットワークを持つ赤十字の看護大学ならではの災害・国際看護の教育は本学の教育の特徴の一つです。本学は、国内外の看護に寄与するとともに、地(知)の拠点として、地域とともにあり発展する大学を目指し、ヒューマンケアリングセンター(HCC)を設置し、地域社会との連携・協働による健康な街づくりに貢献しています。                                                                             

 世界遺産宮島の厳島神社を眼下に臨む自然豊かな環境で、多様な文化や習慣を持つ様々な地域で育った学生と共に看護学の知的対話、知の交流、知の探究をすることを楽しみにしています。

 【注】VUCAとはVolatility(変動性・不安定さ);Uncertainty(不確実性・不確かさ);Complexity(複雑性);Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字