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赤十字について
赤十字と日本赤十字社
アンリー・デュナン
1859年、スイス人のアンリー・デュナンは、イタリア統一戦争の際、ソルフェリーノで起こった悲惨な激戦の光景を目撃し、苦しんでいる傷病兵の救護に懸命にあたりました。その体験を1862年に「ソルフェリーノの思い出」という本に著し、戦時での国際的な救護組織の必要性を広く訴えました。この主張が国際社会を動かし、1863年に五人委員会(赤十字国際委員会の前身)が結成され、赤十字が誕生しました。
現在では、赤十字は「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」という7つの普遍的な原則(赤十字の基本原則)のもとに活動する世界最大のネットワークを持つ人道機関となり、世界各地で様々な人道支援を行なっています。
日本赤十字社は世界192カ国に広がる赤十字・赤新月社のひとつで、現在、世界各国の赤十字ネットワークと連携し、多くの人に支えられながら多方面にわたる人道的活動を国内外で行っています。同時に、災害救護、血液事業、看護師養成などの活動も行っており、全国の赤十字病院は地域の中核医療機関として重要な役割を担っています。
赤十字基本原則
赤十字の基本原則は、「人道」の一言に尽きると言っても過言ではありませんが、1965年の国際会議で赤十字の事業活動の基礎である基本原則が宣言されました。その後、1986年の会議で改訂された基本原則は、次のとおりです。
人道 Humanity
赤十字は、戦場において差別なく負傷者に救護を与えたいという願いから生まれ、あらゆる状況下において人間の苦痛を予防し軽減することに、国際的および国内的に努力する。その目的は生命と健康を守り、人間の尊重を確保することにある。赤十字は、すべての国民間の相互理解、友情、協力および堅固な平和を助長する。
公平 Impartiality
赤十字は、国籍、人種、宗教、社会的地位または政治上の意見によるいかなる差別をもしない。赤十字・赤新月はただ苦痛の度合いにしたがって個人を救うことに努め、その場合もっとも急を要する困苦をまっさきに取り扱う。
中立 Neutrality
すべての人々からいつも信頼を受けるために、赤十字は、戦闘行為の時いずれの側にも加わることを控え、いかなる場合にも政治的・人種的・宗教的または思想的性格の紛争には参加しない。
独立 Independence
赤十字は独立である。各国赤十字社は、その国の政府の人道的事業の補助者であり、その国の法律に従うが、常に赤十字の諸原則にしたがって行動できるよう、その自主性を保たなければならない。
奉仕 Voluntary Service
赤十字は、利益を求めない奉仕的救護組織である。
単一 Unity
いかなる国にもただ一つの赤十字社しかありえない。赤十字社は、すべての人に門戸を開き、その国の全領土にわたって人道的事業を行わなければならない。
世界性 Universality
赤十字は世界的機構であり、その中においてすべての赤十字社は同等の権利を持ち、相互援助の義務を持つ。
日本赤十字社 関連施設
日本赤十字社は全国に医療施設や教育施設を持ち、施設間での転勤や研修受講なども可能です。赤十字のグループメリットを最大限に活かしながら、看護師一人ひとりのパワーアップに努めています。
赤十字関連施設につきましては、日本赤十字社ホームページ 「病院・赤十字施設のご案内」をご覧ください。