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ヒューマンケアリングセンター長 水馬 朋子
ヒューマンケアリングセンターは、本学の教育研究機能を学外に開き、地域と連携・協働して、地域住民の健康保持増進に寄与し、地域の生涯学習拠点として活動することを目的として設立されました。
「認定看護師教育室」は、「摂食・嚥下障害看護」の認定看護師教育課程を2009年に開設しました。この課程では、「食べる」という生活行為の専門的知識と熟練した看護技術を統合した質の高い看護実践力を修得し、直接実践するだけでなく、他の看護師への指導・助言を行い、看護全体の質向上に貢献しています。現在、修了生200名を超える摂食・嚥下認定看護師が全国で活躍していますが、当初の役割を終え、2025(令和7)年4月に閉講しました。
ヒューマンケアリングセンターは、地域の保健医療福祉に貢献できる生涯学習拠点として位置付け、活動しています。活動には専門職を対象にした活動と地域住民を対象とした活動があります。看護師等の専門職を対象とした、「看護職のためのチームづくり研修会」、「中四国地区赤十字関連施設看護継続教育研修会」、「看護師長のためのリフレクション研修会」などを開催し、実践力向上の機会となり、毎年多くの受講者をお迎えしております。また、2021年度から開催している「臨床指導者研修会」は、実習施設の実習指導者の指導力向上と新人教育の質向上に寄与することを目的に、毎年開催しております。終了後は、実習施設における「臨床教授」等にご就任いただき、実習指導力の向上を図っております。また、地域住民を対象とした活動では、大学主催の「公開講座」や「いきいき健康づくり講座」、「地域の笑顔とクロスする!元気プロジェクト」などを開催しています。「地域の笑顔とクロスする!元気プロジェクト」は、新型コロナウイルス感染症が収束し、本学での研修会等を再開することとなった機会に、新しい企画として立ち上げました。住民の皆様が暮らしに役立つ、健康づくりの学習の場として本学を活用していただける講座となるよう工夫しております。春には、桜を見ながらの「ウォーキング講座」、夏には学生と交流しながら「アロママッサージを体験」、冬には「中高年女性のためのボディトリートメント(肌や体のリラックス方法)」など、様々な健康づくりの企画をしています。
さらに、2022(令和4)年度から学生ボランティア部門を設置し、これまで以上に廿日市市や社会福祉協議会、NPOなど地域との連携・協働する活動に、学生も積極的に参加し、地域のニーズに応える活動に取り組んでおります。この取り組みから、学生はコミュニケーション力が向上し、社会性も身につき、ひいては実習における患者さんの生活背景について理解が深まり、全人的な看護を学ぶ一助となっております。
ヒューマンケアリングセンターでは、地域住民の皆様の健康づくりの拠点となるよう活動を進めていきたいと思いますので、ぜひお立ち寄りください。