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地域の健康づくりのため、多様化・複雑化した現場に対応できる専門的な実践能力を身につけます
【看護学部看護学科2021年度卒業】
地域の人々が健康を保って生活できるよう、保健指導や健康相談などを通じてサポートするのが保健師の仕事です。私は現在、感染症対策を担当しています。電話をしたり、訪問したりして、体調の管理や調査を実施し、これ以上感染を拡大させないための活動をしています。
また、HIVや梅毒について大学生向けに講義をするなど、感染予防に繋げる活動にも力を入れています。
高校時代は、医療系の資格取得を目指しており、理学療法士やリハビリ系の資格に興味がありました。そんな時、大学のパンフレットを見て、看護師だけではなく、保健師や助産師という職種もあるということを知り、ぜひ学んでみたいと思ったのが入学したきっかけです。そして、病院に来た患者さんだけでなく、健康な方にもアプローチしていく保健師という仕事に魅力を感じました。
今、何か問題を抱えている方だけでなく、未来のためにこれから予防していくという観点で幅広い仕事ができるのではと思ったのが、保健師教育課程に進んだ理由です。
授業では、地域診断といって、地域についてデータを分析し、課題を出していくという授業があったのですが、現在の業務内でもおこなっていることで、学生時代に面白さを感じたことが良い経験になったと感じています。また、ボランティア活動にも数多く参加しました。
地域の保健師さんに直接お話を聞く機会もあり、将来の自分をイメージすることに役立ちました。
単科大学のため、皆が看護師だけでなく様々な看護の現場を目指して入学してくる人たちばかりなので、皆で頑張っていこうという雰囲気がいつもありました。国家試験や実習、課題も多くありますが、先生方もしっかりサポートしてくださるので安心です。
保健師は、専門性はもちろん、幅広い知識が求められる仕事ですが、いろいろな業務を経験して成長し、地域に必要とされる保健師を目指していきたいです。
少子高齢化により地域の健康課題は多様化・複雑化し、保健師にはますます高度な専門性が求められています。また、地域の健康づくりには、個人・家族だけでなく集団・組織に働きかける包括的システムづくりの構築が必要です。
保健師の活動の場は、県や市町村だけでなく、産業保健や学校保健など多岐にわたります。保健師教育課程では、地域で生活する全ての方々の生涯にわたる健康づくり支援の知識・技術を学修します。地域と協働した講義・演習・実習を通し、健康づくり支援の実践力を育成することを目指します。
公衆衛生看護とは、すべての健康レベルの個人と家族及びその人々が生活し活動する集団、組織、地域などを対象とし、対象の生活に視点をおいた支援を行います。「公衆衛生看護活動展開論」では、個人・家族を対象にした活動について、知識、技術を学びます。中でも、母子保健では、赤ちゃんの家庭訪問場面を設定して、乳児の成長発達を確認し、育児のアドバイスをする演習を、モデル人形を使い、学生が保健師役と母親役を演じながら学修します。
市町村・県などの行政機関において実習を行い、地域診断・家庭訪問や健康相談等保健事業への参加を通し、個人・家族・集団及び組織における保健師の活動技術について対象に応じた支援方法を学びます。また、災害対策や感染症対策など健康危機管理についても学修します。公衆衛生看護活動に必要な知識、技術を修得できることを目標としています。