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令和3年度第1回 外部有識者会議

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年6月25日更新

本学が、学校運営の改善や教育活動の質向上を恒常的に進めていくため、昨年度から、地域や産業界等の学外の有識者をお招きし、客観的な視点からのご意見を伺う会議を設置しており、今年度は5月26日に第1回会議をWebで開催しました。

○会議の方法と構成
次の委員の方が、本学学長(及び関係教職員)との間で質疑や意見交換を行います。
・国立大学法人広島大学病院 副病院長(兼)看護部長
・廿日市市 福祉保健部長(兼)福祉事務所長
・地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立広島市民病院 副病院長(兼)看護部長
・広島県厚生農業協同組合連合会廣島総合病院 看護部長
・公益社団法人 広島県看護協会 会長

○令和3年度第1回会議の概要(令和3年5月26日開催~Web~)        
大学から、(1)大学の現況、(2)3つの方針(卒業・修了認定・学位授与方針、教育課程の編成方針、入学者受入方針)と3つの方針を踏まえた本学の取組みについて、(3)学修成果情報(ディプロマサプリメント)について、(4)令和元年度自己点検評価報告書、第3期認証評価受審について、現況や課題を説明し、それを踏まえて質疑や意見交換を行いました。

【質疑・意見交換の概要】
(意見)ディプロマポリシーについては卒業生の能力ということになるが、コロナ禍で臨地実習ができない
    状況の中で、具体的にどのような演習を行って単位認定を行っているのか、説明のあったディプロ
    マサプリメント等を示していただけると受け入れ側は非常に参考になる。

(回答)学内実習の場合でも到達目標を臨地実習時と変えない方針で実施しており、Webでの指導に切り
    替えたり、時期をずらしたりなど、様々に工夫して質を落とさないようにしている。

(意見)大学は教育プログラムのほか、技術面での設備が整っており、卒業生への教育は十分であると現
    場では認識をしており、大学出身以外の新人看護師の育成が課題となっているが、専門学校も含
    め、臨床教育の教員の人事交流についての取り組み、あるいは検討状況はどうか。

(回答)昨年度姫路赤十字病院の助産師を教員として受け入れたが、他大学や専門学校との交流という
    ことについては着手できておらず、この点は課題と考えている。

(意見)地域ボランティアを募集して演習に活用されていたが昨年も実施されたのか。

(回答)模擬患者としての地域ボランティアは高齢の方が多く、コロナ禍では困難な状況であったため、
    教員が患者役や看護師役になり演習を行った。今年はオンラインを用いて地域ボランティアの方に
    参画して頂くことを検討している。 令和4年度から新カリキュラムとするが、地域の方々との交流
    をもっと深めることができるのではないかと考えている。

(意見)現場での人材育成にはユニフィケーションをしっかりとってやっていく体制が必要と考える。

(意見)採用前に臨地実習の機会がなかったためコミュニケーション能力が低いということがあり、
    入職前にアルバイトとして勤務させたという施設もあった。大学での事例はどうか。

(回答)インターンシップが受け入れ中止になり、現場の雰囲気を体験することが困難であった。
    看護助手としてアルバイトをさせてもらった学生が数人いたと把握している。

(意見)地域での実習について、訪問看護、居宅介護支援事業所を通して、入院~退院~在宅に繋ぐ
    といった一連の流れでの実習を行い、それを大学に持ち帰るなど、コロナ禍においても様々な
    工夫ができている。

(意見)保健師には、地域の人たち、住民がどんな生活を送り、どんなことに困っているのかを知ることが
    療養の場に限らず大事である。保健師としてのスキル向上においても生涯学習を継続する姿勢を
    身に付けて欲しい。

(回答)来年度に新カリキュラムになるが、時代に応じた看護教育の方法が求められる。地域包括ケアとな
    る中にあっても学生たちは地域を知らない、核家族も小型化し、生活感を感じる機会が少ないのか
    もしれない。ICTは進展し、それらを使う力はあるが、一方で人々の生活をどのくらい理解し、
    寄り添う知識や技術を身につけて巣立ってもらわなければならないと考えている。
    地域のことも重視したカリキュラムを作ったつもりであるが、実習等に関しても助言いただきたい
    し、地域での現場教育と、本学の教育との連携についてご意見を伺っていきたい。

(意見)学生には率先して地域と関わってもらいたいし、そうした動きができることがヒューマンケアの
    ケアリングマインドに生かされていると感じる。そういったところをディプロマポリシーに出して
    いく必要があるのかなと考える。

(意見)前年度、県看護協会が始めた訪問看護版のインターンシップは非常に希望が多かったが、学生や
    一部教員の中には臨床を経験しないと訪問看護に進めないと思い込んでいる人もいた。新人の時に
    地域を見ると訪問看護だけではなく制度のことなどが理解できるのでしっかり活用すべきである。

(意見)ポストコロナ、ウィズコロナを見据えた実習、また教育の手法ということで、臨床現場においても
    昨年度から教育手法を考えているが、新卒者はリモートやオンラインに慣れていて、現場での手法
    に違和感がある人も多い。一方で現職者は現在の手法は一時的なものだと捉えている。今後、リモ
    ートやオンラインの教育手法は臨床現場においても必要となってくることを想定し、リモート用教
    材等の教育手法の開発について大学とで共有できると、臨床現場が卒業生を受け入れるにあたっ
    て、学んできた環境に近い形での教育手法が提供できるのではないかと考えている。これからの
    教育の仕方を一緒に考えることにより基礎教育と継続教育の連携や連動がよりスムーズに行くと
    考える。

(回答)学内の実習や演習中に、オリジナルの事例を多く作っている。それを共有して一緒に検討するこ
    とで事例を増やし活用できれば良いと考えている。また、オンラインでカンファレンスに参加して
    頂き、看護師が学生と同じものを見た時にどういうことを考えるのか、看護師の思考を学ぶことが
    できるので、協力頂きたい。

(意見)教育の現場と臨床の現場が人材育成、教育を共に考えるということについては、意見を共有する
    場を設けるということが考えられる。

(回答)より実践的な学生を輩出し、また受け入れた新人看護師をより良く育てていきたいということは
    大学、臨床現場で共通課題であり、そのことは患者や地域への貢献に看護が寄与することに繋がる
    と思う。フォーラムあるいはコンソーシアム等での検討をお願いしたい。
    本学だけに限らないと思うが、学生と患者や看護師とのコミュニケーションの難しさへの声が大き
    くなっている。コミュニケーション教育に関してご示唆があればお願いしたい。

(意見)新人教育でワールドカフェをローテーションで中堅も含めて行っている。

(意見)基本的なコミュニケーション教育や、語彙力を増やす、相手との関係性を正しく理解するなど
    ベーシックなことは必要だと思うが、座学で身につくものではなく、実践の中で身に付けて行く
    ものではないか。地域ボランティアなどを通して住民と触れ合う中で育つこともあるかと思う。
    阿品は高齢者が多いので訓練は必要だが接する中で育つのではないだろうか。

(意見)臨地実習経験がないからというネガティブな気持ちではなく、学内実習でやった自信を持って
    現場に来ることを望んでいる。